金曜日, 3月 09, 2007

コーラス

 ケーブルTVで「コーラス」という映画を見た。
 第二次世界大戦後直後のフランスの田舎で、音楽教師だった男・マチューが特殊学校の寄宿舎の舎監としてその学校にやってくる。赴任の当日から、生徒たちは問題児で新任の先生へのいたずらをやめようとしない。校則は厳しく体罰や理屈の通らない罰などがくだされていることに抵抗を覚えたマチューは、子供たちに歌を教え始める。
 中でも、天から与えられた奇跡の声を持つ、問題児のモランジュに音楽の才能を花開かせるように熱心に教えた。このモランジュが後に世界的有名な指揮者になり、彼がマチューの日記を読むことでこの映画の回想シーンが始まっている。

 結局このマチュー先生は何もなしえない。後に高名になった指揮者の世間の人は知るよしもない恩師ということ以外には・・・。だけど、誰の人生にもこのマチュー先生のような人はいる。学校の先生じゃないかもしれないけれど、たくさんのマチューのような人で一人一人の人生は成り立っているのだ。人は一人では生きられないから。

 もしも、自分がドラマの主人公のような人生ではないと思っても悲観することはない。
 誰しもが、またマチューになりうるのだから。

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